[こども学科]芸術祭企画 “福祉とアート”の講演を聴講しました。
こども学科の“造形・美術ゼミナール”を履修している3年生が、白河市で開催された「福島ビエンナーレ2024 風月の芸術祭in白河」を見学し、記念講演を聴講しました。
ビエンナーレとは2年に1度という意味で、隔年で開催される芸術祭のことです。
「福島ビエンナーレ」は、2004年から福島県内の各地域で開催されてきました。
アートと地域文化を結び付け、世界に発信するという試みです。
白河市での開催は2020年から3回目となり“造形・美術ゼミナール”の担当者も、アーティストとして作品を出品しています。
ゼミナールでは、研究活動の一環として、美術館・博物館見学や、講演会等への参加を推奨しています。
アーティストによる“白河アートだるま”の展示 マイタウン白河にて
全国から寄せられた公募作品も鑑賞しました
皆さんは、美術やアートというと、どんなイメージを浮かべますか?
絵を描く、ものを作る、自分が好きに表現することでしょうか?
美術やアートには生活に彩りを与え、人をつなぐ、相手を思いやる、痛みを癒す力があります。
近年“福祉とアート”は世界的にも注目されています。
今回のビエンナーレでは、日本の「ホスピタルアート」の第一人者である森合音(もり あいね)先生の記念講演が開催されました。
森先生は、四国の香川県で「ホスピタルアートディレクター」を務めておられ、遠路、福島県まで来てくださいました。
森先生が関わる「四国こどもとおとなの医療センター」の試みは、NHK放送局のテレビでも紹介され、大きな反響がありました。
現在、この病院には、全国から見学者が訪れるそうです。
詳細は、病院のHPや、森先生の著書をご覧ください。
『痛みを希望に変えるコミュニティデザイン』2023,筑摩書房
こども学科では「福祉」と「保育・教育」を学びますが、子どもは保育施設以外にも、病院で過ごす場合があります。
そして“痛み”は当事者が抱えているだけでなく、それを受け止めるご家族や医療従事者、地域の方々も同様です。
痛みを軽減し、皆が希望に向かっていくために、アートの力が役立っています。
“造形・美術ゼミナール”の授業で紹介したところ、ゼミ生が聴講に訪れました。
メモを取りながら、時に涙ぐみ、熱心に聞いていました。
森 合音先生 講演会「祈りとホスピタルアート」
日 時:令和6年8月24日(土)
会 場:白河市立図書館りぶらん
大学の夏休みのひとときを、自主的に行動する意欲や学ぼうとする姿勢が素晴らしいです。
講演は、心に響く内容で、アートは“切実な表現”であり“心の救済”、“目に見えない思いを形にすること”とお話されていました。
森先生や病院に関わる皆さんの思いが伝わり、医療と保育、福祉とアートが深くつながっていることを実感しました。
森先生も、これからの社会を担う大学生が来てくれたことを、とても喜んでくださいました。
この出会いと学びは、学生の大きな財産となるでしょう。
最後に、森先生(左側)と一緒に記念撮影をしました。
こども学科“造形・美術ゼミナール”担当者